「ちょっと!祥君!!?」

「ご、ごめん」


じりじりと詰め寄る久美に、祥太郎は誤魔化せないと思ったらしく、素直に謝罪の言葉を口にする。


「ごめんって、言ったの!?」


途端に真っ赤になる久美。


「だって、りょうならっ、いいだろ?」

「良くない!!」

「うっわ、ごめん!久美~!!」


バンっと一度、久美は祥太郎の肩を叩くとぷいっと背を向けて博美の元へと戻った。
その後ろ姿を見送った後、祥太郎とばちっと目が合う。

お互い苦笑するしかなかった。


久美は別に本気で怒ってるわけじゃないし、平気だとは思うけどな。
ただの照れ隠しだろ、あれ。


授業が始まり、俺は窓の外を見ながら頬杖をつく。
灰色の空が一面に広がっている。


それを見つめながら、これからの事を思った。