明日美がふいに私の方を向いた。

「ママ、心配しないで。あす、大丈夫だよ」

まるで見えているかのようだった。
明日美はわかるのだろうか。
私が泣いているのを・・・


ふいに窓の外を見ると、盲導犬と歩いている女の人がいた。
その人は幸せそうに、隣にいる男の人と喋っているようだ。

わたしは、その人と未来の明日美を重ねあわせた。


そうだ。明日美はこんなことでへこむ子ではなかったんだ。
何を心配していたのだろう。

逆に心配されてしまっていたではないか・・・


明日美に微笑みかけた。なぜか明日美も笑っていた

ありがとね、明日美