その日は8月。朝だというのに焼けつくような暑さだった。美代子は朝ご飯を作っている最中だった。

「ママぁママぁこっちきてよぉ」

明日美の呼ぶ声がする。

「ママ、真っ暗だよ?電気つけてよぉ」

忙しいのに!

この時は何も知らなかった・・・


「何寝ぼけたこと言ってんの!忙しいんだからはやくしなさい。」
「ママぁホントに見えないんだってば!こっちきて!」

美代子は『しょうがないわね。』とため息をつきながら明日美の部屋に向かう。

「明日美?」

明日美はベッドに座ってこっちを見ていた。