「 えー」


先生のそんな顔。

残念がってるような顔。

悲しい顔。



バシッ


軽い音。

柴倉先生が軽く、手の先を私の肩に乗せたんだ。


セクハラとかで訴えられるような大胆な感じじゃなくて、


かるーく。
触れたか、触れてないかが分からないくらいに。

そして、


「亜希ならできるよ? 」





あきならできる

アキナラデキル


私に、出来るの?





「 おし、行って来い。 」



私は立ち上がると、分からなさそうな顔をしている蒼まで走る。




「 蒼!解る? 」




「わかんない。 亜希、教えて〜 」



蒼は泣きつくように、私の腕をつかむ。


「 おっしゃ、任しとけ! 」




私は蒼に教えた。




「 この問題はね、4:1の公式を使って〜 」

長い説明が終わると…



「はーっ。そうゆうことっすか!
分かったぁ亜希、サンキュー。
てか、亜希何気に教えるんうまいなぁ」




教えるの、うまい?


この、私が…?



私はいろんな感情が積み重なり、泣きくずれそうだった。