立ち上がることすら忘れて尻モチをついている私の傍に、ソラがくぅんと小さな声を出して寄ってきてくれました。

慰めてくれているのでしょうか、私が怪我をしたと勘違いしたのでしょうか、ソラは私の顔をペロペロ舐め始めました。

まだ半分意識が戻らず放心していた私は、突然の生温かい感触に驚き、

「こらっ!ソラ!」

と、いつも彼が悪さをしたときに叱るのと同じように、つい大きな声を出していました。

「キャン!」

悲鳴ともとれるような声を挙げながらソラが私から少し離れました。

「あ、ごめんね。つい・・・
 もう大丈夫だよ。心配してくれてありがと。」

我に返った私は、通行人たちがチラチラこちらを見ていることに気づき、恥ずかしくなってそれこそ飛び起きるように立ち上がりました。