チャイムを鳴らすと、「はい。」と少し大人っぽくなった少女の声が聞こえた。

「あの、樋山です。おすそ分けお持ちしました…」
「あっ、少し待ってくださいね?」と、あの人変わらない赤いフレームのメガネをかけた、少し大人っぽくなった少女が玄関から出てくる。「なんか久しぶりですね。亮太君」と、少し高めで、澄んだ声の女の子が現れた。
「穂積ちゃんお久しぶりです、これどうぞ…。もし時間あるなら少しお話ししませんか?」よくよく考えたらいきなりなんだよって感じだが。

「少しならだいじょうぶです。せっかくいただいたのにこぼしちゃったらいけないので置いてきますね?」と、ぴょこぴょこ効果音が付きそうな足取りで家にはいって行く彼女の姿に笑みがこぼれた。