四人の顔を順番に見て答えを出す。
自分の思い出が知らないうちに思い出せなくなるのは嫌だ。
少しでも力になれるのならと決意する。
優希の答えを聞いた四人が、心なしか体の力が抜けたように見えた。
「もちろん。強い思いがあればキューブはきっと力を貸してくれる」
「よろしくな!」
「今日から仲間だねー!」
「足は引っ張らないで下さいね」
「――オレ達の考えに賛同してくれてありがとう。篠崎さんにもメモリーズキューブを持っていてほしい」
紅夜はチェーンに通されていないキューブを一つ、胸ポケットから取り出して優希に差し出す。
先程優希に見せた物とは違って色は白く、受け取った彼女はまじまじと見つめた。
「今渡したメモリーズキューブはまだ力が眠っている状態のものなんだ。人の思いと共鳴した時、メモリーズキューブは色を変えて武器にもなる」
「武器に……」
「オレ達は基本的に一人一つを持っていて、武器の形や能力はみんな違う。君はまず見習い、という形になるんだ」
「心配しなくていいぞ。俺達が色々教えるからな!」
快活に笑う薫に優希も口元がゆるむ。
メモリーズキューブをテーブルに置き、ソファから立ち上がって深く頭を下げた。
「よろしくお願いします……!」