「ママ!この本なぁにっ?」

覚え立ての言葉で、一生懸命に話す娘の小さな手にはアンティークチックな、鍵のかかった青春時代の私の日記

「わぁ!どこで見つけたの?ずっと探してたのよ・・・」

そう言って私は、懐かしくなって、首にかかっている日記の鍵を使い、日記を開いた。
すると、するりと、何か表紙に挟まっていたものがはらりと落ちた。

落ちた方を見ると、それはひどく懐かしい、ずっと探していたアザレアの栞だった。私はそれを手に取り、目を細めて眺めた後、日記の1ページを開いた。


【君に出会った】