『……もうちょっと封筒よく見て』


しぶしぶ教えてくれた和泉くんに、嬉しくなる。


よかった。これで和泉くんの気持ちを無駄にしない。


「そんな素敵サプライズがあるなら言ってくれたらいいのに」

『言ったらサプライズじゃないでしょ。それに素敵かは分からない』

「和泉くんがくれるなら何だって素敵だよ」


だって和泉くんが好きだもん。


たとえ変なものでも、和泉くんがちょっとでもわたしを思ってそれを選んでくれたなら、

わたしのことを考えてくれたなら、それだけでいい。


わたしが和泉くんの頭に浮かんだ一瞬。


それだけで、充分すぎるくらい素敵じゃないか。


『……いいから、早く読んで。できれば感想貰えると嬉しい。じゃあね』

「え、待って、和泉くん!?」


早口にさっさと用件を伝えると、夢見がちなわたしを置いて電話を切り上げてしまった。


がーん。


えへへじゃなくてうぇへへぇとか笑ってたから気持ち悪かったんだろうか。


気持ち悪かったんだ、そうに違いない。


でも、もしかしたら。