……なんだろうこれは。


ものすごく適当感あふれるこれは何だろう。


よく転ぶ?

転ぶけど。転ぶけど、最後がこれじゃなくてもさ……!


「和泉くんのばかー……」


分かってたよ。分かってたさ。


でもでも、こういうときぐらい褒めてくれたっていいじゃんか。


文責とか、僕じゃなくて私とか書く前に、かわいいとか書いてくれたっていいじゃんか。


ばか。ばかばか。おばか。


こういうの書いた夢見たって、わたし内容まで教えたじゃないか。


そしたら、合わせて彼女って書いてくれてもいいじゃないのさ。


いじけたわたしを見透かしたように、着信音が鳴った。


電話なのが珍しい。


『ねえ葵、何これは』


開口一番ひどい和泉くんのお言葉。


恥ずかしいんだけど。とか言われても困る。


それに和泉くんは恥ずかしいかもしれないけど、わたしは恥ずかしがれるような文面がないんだよ。


恥ずかしがれるだけいいと思うよ。


「わたしだって恥ずかしがって照れたかった!」


ぶうぶう膨れるわたしに、訳が分からない、と和泉くん。