私がハンカチを遠慮がちに受け取ると、彼はスタスタと歩いていった。


『きゃーーーー』



な、なに?

周りを見渡すと、目をハートマークにさせた女子たちがさっきの男が歩いていったほうにくぎづけ。


なにこれ?
あの人、何者!?
そんなわたしの耳に入ってきたのは、


「きゃーーーー」


絵里の悲鳴だった。