「ゴホッ、はぁ、だ、大丈夫です。それよりも、恵美さん、今日はどうしたんですか?私に連絡しないで来たって事は、業務でしょ?」

「あぁ、再来週のイベントのVIP招待の追加リストを持って来たんだけど、本当にごめんね~。お詫びに後で夕飯ご馳走するから、待っててくれない?」

苦笑いしつつ、私の頭をナデナデする恵美さんの後ろで、同僚達の目がそれぞれ口ほどにものを言っている。

『行って来い』

『これ以上、此処で暴走させるな』

『どうせ今夜は暇になったんだろう。相手をしろ』

……私は猛獣使いか、はたまた生け贄ですか……

とりあえず、ニッコリ笑って頷いておいた。