ーッゴホッゴホッゴホッゲッホ…ゼェゼェ…ヒュウー

時折やってくる咳と其れに伴う喉の痛み。

咳のしすぎで、肺も腹筋も痛い。

ついでに言えば、下がらない熱で全身の関節も痛い。

呼吸をする度にゴロゴロと鳴る肺の音に、自嘲めいた笑みが思わず浮かぶ。

ー猫みたいー

呼吸が落ち着くのを待って、ゆっくりと瞼を開けて窓の外を眺めた。

真っ青な空に浮かぶ入道雲とワシワシと煩く鳴く蝉の声。

季節外れの肺炎で緊急入院して未だうつらうつらする意識は、誰も居ない病院の個室の静寂の中、再び遠くなった。