部屋に入るとすぐにベッドに転がるアリサ。


俺が寝られるようにスペースを開けて、『早く来て』とでも言うように俺を見上げる。



そんなアリサを抱きしめるようにして、俺もベッドへ。




ほぼ毎日繰り返されるこの行動。



付き合い始めるよりももっと前、いつからかこうすることが当たり前になってた。



静かに抱きしめると、一日中溜めてた涙をゆっくりと流し出す。



綺麗に塗られた赤い爪が、俺の服に食い込んでいる。






「……あたし、弱くないもん」





そう言うアリサをキツく抱きしめる。





「ん…よく知ってるよ。お前は頑張ってる」





芯が強いんだ。



こんなに細い体で、色々耐えてる。