級長、生徒会、部活動、勉強と、必要なものは取り揃えた。
学校生活は素晴らしいものになった。
中学には目立った不良も居ず、呼び出しなどは夢のまた夢くらい、有り得ないものだった。

舞台はスムーズに進んだ。

ある日、クラスで浮いている奴を発見したのだ。













「日高?ああ、あいつ頭おかしいから気にすんなよ」
「どんな風におかしい?」
「うーん・・・例えば、空見てるから、何見てんだ?と言うとするじゃん」
「うん」
「そしたら、太陽と話してたの、なんて言うんだぜ?」
「本当に話せるのか?」
「そんなわけないだろーが!大体太陽なんて星だぜ?無理に決まってんじゃねえか」

なるほどな。
出会いというか、話した事もないのに印象はインパクトあった。
日高裕美。中学一年。
呼称はゆーみん。今は友達がいないようなので、その呼称も無駄なものなのだが。

本当暇な奴らばっかだな、と思う。
青春を描くために、こいつらは何を必要としているのだろうか。