煙草の煙が天に昇る。
口から出て行く煙を、ふと指で触れてみる。
もちろん触れた感触はなく、ただ大気に溶けていくのを見ていただけに過ぎない。

太陽を仰ぎ見た。
少し目がちかちかした。
そして涙が出てきた。

俺の指にはキズテープに包帯、噛んだ爪から出た血の跡、さかむけ。
痛々しいくらいに傷だらけで、綺麗とはお世辞でも言えない指だった。

涙が落ちた。
指を伝いながら落ちていく。
俺は好きで指を傷つけたりしない。
原因があって初めて傷つけるんだ。



俺は、いじめられている。

煙草の灰が落ちた。
涙と共に。