そんな時。
カカッ....カカッ....
遠くから馬の蹄の音が。勿論、藍香にはそれが鳴琳の迎えとの想像は容易かった。
「ほら、迎えが来たみたいよ」
「嫌だ」
「嫌だって言われても....」
鳴琳は藍香の服の裾を控えめに握った。まるで帰るなら藍香も一緒だとでも言うように。鳴琳の行動に再び藍香は困り果てた。
「....じゃぁ、何かあったらまたここに来なさいよ。来れる時は来るから」
ため息混じりに藍香は言った。
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