「いねえな」

「ああ。でも、どっかにかいるはずなんだ」

勝と朔は外に緋音がいないか探していた。

すでに3時間過ぎていた。


「連絡もこねえし、凛子さんたちもまだなんだよな。」

「ああ。…………おい、勝。あの白と赤のワンピース…ってさ、」

「緋音ちゃん?!」


川沿いをフラフラと歩いている緋音を朔と勝は走って保護した。

「緋音!!!大丈夫か?!」

「朔…勝…。キリタニ…さんが、、殺され…」

そこまで言うと、緋音は意識を失った。

「おい!どうしたんだ?!おい!!」

「緋音ちゃん!!!」

「…………勝、あの建物。気にならねえか??」

「ああ、気になる。ってか、あそこに車あるぞ!!!」

「え?…組織だ。組織の車だ。」

黒い車を見ながら緋音を見た。
どうやって抜け出せたんだ。
何をみたんだ。
何をされたんだ。

緋音が目を覚ましたらこんな質問攻めにあうことはおそらく、誰もが予想できただろう。












「課長!!!みつかりました!!!」


小野寺にまで報告すると、一旦落ち着いたようにソファーに腰を掛ける。

「緋音が散歩に行ったとき、だれかから襲われて、そのままこの、建物に入って行った。」

朔がホワイトボードにさっきの車の写真と建物の写真が貼ってあった。

「この車は、この前BARの前にいた車と同じナンバーだった。」

「この前って、朔がやらかした日?」

「そうっす。」

凛子の問に大門が答えた。



本来ならば開店のはずだが、緋音が行方不明になってまさか組織と接触していた、となると店どころではないから今日は閉店して、捜査会議をしている。


「とにかく、だ!!明日、応援も呼んで全員でその建物の中を調べるぞ。」

小野寺までもがBARに来て共に捜査会議に参加していた。

「てか、緋音ちゃん、妙なこと言ってたような…」

「あー、あれか、キリタニが殺されたって話…」

「それ、本当なのか?」

勝と朔が話していると緋音がいきなり部屋に入ってきた。

「緋音!!」

「緋音ちゃん!!大丈夫??」

「大丈夫…てか、ほんとだよ!あたしの前でキリタニさんが…キリタニさんが」

「緋音!!いわないでいいの…「殺された…」


緋音は凛子を無視して目をギュッと閉じながら言った。

「緋音ちゃん、やすんどこ。」

勝が緋音を二階につれていった。