「どこだよ、死体は!!!」

朔は緋音に対して不機嫌な態度をとりながら聞いた。
なにしろ、BARの開店に向けて1から作業を頑張っていた途中だっていうのに死体を見つけてきた緋音に事件に巻き込まれるだなんて思いもしてなかったからだろう。

「あっち…てか、なんでそんな不機嫌なのよ!!!」

「お前がめんどくさいことに巻き込むからだろーが!!」

「はあ?!朔が刑事だから仕方ないでしょ?!」

「それだったら警察普通に呼べばいい話だろーが!!」

「なによ、じゃあ記憶の戻らない妹を平気で遠い遠い警察署まで行かせて警察呼んでこいっていうの?!」

ここまでくると、朔は言い返せない。

事実、なぜ緋音が記憶をなくしたのか誰もわからない。
緋音の記憶の手がかりこそ見つかればいいのだが一向に見つからない。


「あたし帰る!!朔なんかのお手伝いしたくない!!」

緋音は朔をにらみながら言った。

「好きにしろ。」

朔もまけずと睨み返した。

と、まあ追い返したがすぐに後悔したのは朔自身だった。

目の前を見ると、真っ赤な死体に銃で何発か撃たれた跡があった。

真っ赤な死体、、、とあえて言ったのはその死体は本当に赤かったから。
血の色だ。

「ゔ…ゔぇ…」

勝は血が苦手だからすぐに吐きそうになってしまう。

「…勝、お前は緋音を頼む。」

「は、はい!!!」