「勝」
朔が勝をよんだ。
「ん?てか、お前さっきから顔、こえーぞ??」
そういう勝に、凛子も付け足すように
そうね、といった。
「キリタニっていってた…」
「え?あー、さっきの優しい男の人!!それにしてもイケメンだったよな!!!あんな人、どーこ探してもいねえよ!!!」
「いたよな」
「「どこに?」」
朔が真顔で二人に言ったからか、二人も真剣なのだろうと、冗談を言わなくなった。
「キリタニってさ…あの現場にもいたよな。」
朔の言葉で、二人ともハッとした。
「麻薬の取引現場…?!」
凛子のその声に、勝が怯えつつも言う。
「ま、まさかあ!!!あんな奴らがなんでこんなとこに…」
「でも」
朔の声で我に戻った二人。
「でも…あいつらの格好、その時の組織の奴らに似てなかったか??」
『ザー…ザザー…も…ザー…似て……か??…ザー』
「ダメです、聞き取れません…」
「チッ…いいからさっさと聞き取れるようにしろ!!!」
表に黒い車が止まっていた。
なかにはさっきの奴らだった。
『ザー…ザザー……………ブチッ…...』
「き、気づかれました」
「くそ、つかえねーな」
そう言うと、ジンカワは内ポケットから拳銃を取り出し部下に銃口を向けた。
「ヒッ!!!す、すいません!!!も、もうへましま「パ-ンッ」」
数十秒前、朔は勝に取り付けられていた盗聴器を発見した。
「なんだ、これ。、おい!!!やばい…」
ブチッ
朔は思い切り盗聴器を踏んずけた。
そして、発砲された音がした。
「ま、まさか!!!」
朔が銃を持って急いで外へと駆け出した。
勝と凛子もとにかく走った。
「…な、なにこれ…」
「うっ…」
外に出てみると、黒い車が角を曲がるところだった。
そして…
銃で撃たれたであろう死体が転がっていた。
その死体は首より上がない状態だった。
「ねー、なんの音-?寝てたんだけど…ん??って、きゃああああああああ!!!」
緋音がでてきたのを誰も止める余裕などないくらい唖然としていた。
その叫び声に大門、辻と次々にやった来た。
「どうした!!!…っ!!!」
「な、なんすかこの人…」
二人とも真っ青になっていた。
「組織だ。さっきBARにきた手下のやつだよ」
朔がようやく声を出した。
「そ、そんな…な、なん…で…」
バタッ…
緋音が意識を失った。
「緋音ちゃん!!!お、俺、緋音ちゃんをとりあえず二階に連れていく!!!」
勝にいつものヘラヘラした感じはなく、とにかく真剣だった。