しばらくして教室のドアが開き、先生が入ってきた。私のクラスの担任は先生になって二年目の英語科のえっちゃん先生。(恵津子先生)ふわんとしてておっとりしてる。癒し系先生だ。

「おはよー、皆さーん。あのね、昨日クラス委員を決めなくちゃいけなかったんだけど、忘れちゃっててねー、今から決めますね~」
えっちゃん先生がそう言うとクラス全員がブーイング…。

「じゃぁ、推薦で決めますね~。この人がいいんじゃないかなぁって思う人を教えて~」
手にチョークを持ち出てきた名前を書く準備をするえっちゃん先生。


「えっちゃーんっ、私中沢さんがいいと思いまーす」
「あ、私もーっ!!」
「そうだね、何か似合ってる」

え、待って、私クラス委員なんてやったことないし、そんな柄じゃないし似合ってもいないし…。
嫌だよ!!絶対!!


「じゃあ女子は中沢さんでいいかな? いい?中沢さん?」

「は、はい…」


こんな女子のやりたくないオーラに反論する事が出来ないから、はいとしか言えなかった。


「次は男子ね~。誰かいないかな?」


「はいはいはいはーい!!俺、明斗がいいと思いまーす!!」
「ちょっ、健太っ」

『キャーッ』

明斗って言った途端クラスの女子が叫んだ。
皆も明斗ならいいね、とか言っている。明斗って誰?と思ってクラスを見渡すと、ブスーっとしている男子生徒が1人。


すごく顔がキレイ…。髪型も似合ってるし、ああいう人のことをイケメンっていうんだなと思う。



結局クラス委員は、イケメンくんと地味な私になった。
やっていけるかな…。