「波瑠…もういいよ?遅れるから行こ?」


「でも、まだこいつに…!!」


「波瑠のその気持ちだけで十分だから、ね?ありがとう?」


そう言って花梨は私の手を握ると、校門までの緩やかな坂道を駆けていった。


…笑いこげる男を残して。



~蒼汰side~



「あははー(笑)あんな女、初めてなんだけど!!」


チャイムも鳴り終わり、俺は1人通学路に佇んでいた。


…さっきの女を思い出しながら。


だって、女に不細工って言われたの生まれて初めてだし。ましてや年下の初対面の女に言われるなんて。


「…波瑠、か」


だけど、これからの学校生活が楽しみだな?