キッと鋭い視線を浴びせる男。その視線は私から花梨へと移る。


「人の顔見るなりかっこいいとか、見た目で言ってんな。そーゆう奴、まじで無理なんだけど。」


『な…っ!!』


「あ、泣くなよ?泣かれたら面倒だから。…それじゃ。」



言うだけ言うと、男は何事もなかったかのように前を歩いていった。…踞る花梨を他所に。


「…何よ、あいつ」


かっこいいって言っただけであそこまで言う必要ないんじゃない?何様のつもりよ。ただの男のくせに。


ワナワナと込み上げてくるあの男に対する怒りに、とうとう私は持っていた鞄を男目掛けて投げつけた。


バシッ


「…ってーな(;`皿´)」


『は…波瑠!?』