「んじゃ帰るか」

「え?」

「なんだよ。やなの?」

「ううん!帰る!」

久しぶり。一緒に帰るの
ずっと一緒に帰ってたのに最近わたしが断って先に帰ってばっかだったから。

「ほら、帰るぞ」

そう言いながら私の頭をコツって叩いて少し笑った。

「うん!久しぶりだね〜」

「お前がいつも俺置いて先に帰るからだろ笑」

「う、うるさいし!」

いじはって可愛くないことばっかりな私

「一緒に帰れるの嬉しい?」

(嬉しい。また一緒に帰れる)
なんて思ってるのは秘密。
一緒に帰んなくなってからから全然しゃべってなくて正直また一緒に帰れるなんて思ってなかった。

「は、は?全然嬉しくないからー。そっちこそ嬉しんでしょ?」

嬉しくて顔が笑っちゃいそうなのを我慢して嘘をつく私。

「嬉しいよ。」

ずるい。そんなこと言われたらにやけちゃうじゃん。

「あ、あっそ。そ、そんなことよりどっかよってこーよ!」

誤魔化すように言った。


この日、私たちは久しぶりにラーメンを食べて2人で帰った。




「本当は嬉しかったよ。
素直じゃなくてごめんね」
帰ってから呟いたこの言葉は独り言として消えた。