「…きです」
たまたま通りかかった学校の裏庭で
私、杉山利加羅(すぎやまりから)は
「…すきです」
告白現場を目撃した。
ちょ、まって人の告白中に堂々と通りすぎる人なんていないよね?
とりあえず隠れなきゃ。
私はとっさに木の影に隠れた
「…ごめん」
あ、ごめんだって。振られたのかな
告白してるのは可愛らしい女の子でその相手はよくわからない声のかっこいい男の子。
ガサッ。
(え?うわ、男の子こっちくる
え、どうしよう。
ああ。見つかる)
私は思わず目を瞑ってすんごい小さくうずくまった。
だけどそのまま足音は静かに遠ざかっていった。
「……あ、あれ?」
顔をあげるともうそこには誰もいなくて私はただのまぬけだった。
(なにこれかなしすぎる…。)
「そもそも隠れないで通りすぎればよかったんだよ、もーなにやってんだろ」
突然あの女の子の顔が浮かんだ。
あの女の子泣いてた。
告白するのってどんだけ勇気がいることなの?
恋ってどんななの?