「まだ出会ったばっかやんって思うかもしれへんけど、たぶん俺は愛空に一目ぼれしたんやと思う。最初、愛空に道聞くとき正直すごい目を奪われて……緊張したし」



そう、だったの……?
緊張したのは私だけじゃなかったんだ……。



「何回も言うけど俺、ほんまに愛空のこと好きやで。愛空は俺のことキライかもしれんけど、それでも俺、諦めへんからなっ!」



「っ」



どうしよう……私、今まで体験したことないぐらいにドキドキしてる。
今の私きっと、顔真っ赤だと思う。
顔、あげられないよ……っ。



私は榎本くんの制服を軽く掴んだ。



「……っめ、愛空?」



「私……榎本くんのこと……キライじゃ、ないです」



私は榎本くんのこと、キライなんかじゃない。
こんなに私を一途に想ってくれる人のこと、キライになれるワケないじゃん。
まだ……好き、とかはわかんないけど……。



「愛空……」



「だっ、ダメっ!」



榎本くんが私を引きはがそうとしたけど、阻止した。



今……顔見られたらマズい。
絶対、真っ赤だもん。