彼女と出会ったのは１０年前。 私たちは双子のようにそっくりで。 橘家の大切な愛娘、橘 眞梨愛（たちばな まりあ）。 彼女がいなければ、私はこの世にいなかった。 私の本当の名前は、今ではもうわからない。 「眞梨愛さま。」 「ごきげんよう。」 私は彼女の影武者だ。 いつでも彼女になりきり、得をすることは彼女に。 損することは私に。 でも。。。 この想いはどうすればよいのだろう。 ミガワリの私が幸せを望むことがおかしいのだから。

３年間片想いした相手に振られた。 辛くて、苦しくて、悲しくて、切なくて。 もう恋なんてしたくないって思いかけた。 でも…… もう少しだけ、頑張ろうかな？ だって諦められる？この気持ち。 恋愛対象に見られてなかったんだったら見てもらえばいい。 ふりむかせたい。 「まだっ、まだ諦めなくてもいいですか！？」 簡単には振り向いてくれないと思うけど。 簡単に諦めたくない。 いつでも真っ直ぐな元気な少女 畠山　末梨　-h a t a y a m a m a t u r i- 　　　　　　× 優しさあふれるイケメン少年 小野　郁弥　-o n o i k u y a- 最後は泣くのか笑うのか。 これは私とあいつの戦いなんだ。

　 「好きだよ。」 日頃から笑顔でそう言ってくれていた君。 私の隣にずっといるのは君だと思ってた。 「あの日から…５年かぁ。」 あんな事故がなければ。 あんなことを頼まなければ。 私達はいつまでも笑っていられたのかな？ 「もう忘れなよ、次にいきなー？」 そう友達は言うけれど。 あの笑顔が忘れられないの。 あの暖かさから離れられないの。 あの日々を…なかったことにはできないんだ。