「だだの衣替えとは――全くテルは朴念仁だなぁ――」
「露出する肌と心――透ける躰の輪郭――男として興奮せずにはいられないだろう、テルくん――」
「どうして、官能的な方向に話を持っていく――ってか、お前ら微妙にスカート丈短くしてるだろ――」
「さすがはテルっ、通だねぇ――んで実際どうだい、ミナの生太股をつたい、見えそうで見えない危険領域を拝む気分は――」
ミナの人差し指が、自身の太股を軽やかに滑り、ゆっくりとスカートの丈を妖しく巻きながら彼を誘う――。
「うおっ、ミナっ誘ってるねぇ――私も参戦しようかな――」
気分が高揚した繭が、スカートを捲る動作を開始する――。
「こらこらっ、ミナも繭もいい加減にしろっ――繭っ、スカートから手を離せ――」
彼の周りの「小宇宙」で展開される女の劣情――。
「本当は見たいんだろっ、テルっ――」
何処からともなく、クラスメイトが合いの手を入れる――。
「はははっ――」
教室内に笑い声が響く――。
茜も肩を揺らし、お下げ髪の先端が小刻みに震えている――。
「もう、勘弁してくれ――」