「どうだテル、開放的になり、露出度が上がって色気づいた女達の御感想は――」




夏は、冷夏などと予想した者は誰なのか――。


夏を迎える前から気温は上昇し、うだる様な暑さが何日か続いた後、制服の衣替えが行われ、ミナがいつもの様に彼の机に腰掛け、色香溢れる素足を見せつけ、問う――。




「色気づくって――だだの衣替えだろ――」


「さっきから、何アピールなんだよミナ――」


「何ってテル、夏服だよ――冬の女の衣を脱ぎ捨て、長袖から半袖へと夏の女、いや、危ういバランスの自我と大人の女へ成長する過程で魅せる、精神と躰が煌めく瞬間――それが衣替えさ――女としての――」



「より顕わに、官能的に這う躰の輪郭――肌を滑る、甘い果汁の汗――混ざり合う果汁と、魂から溢れるフェロモン――その魅惑的な罠に絡められてゆく男達――そして、恋が芽生える――ってな感じかな、ミナ、テルくんおはよう――」


ミナの解説に、遅れて登校した繭が、独自の表現を披露しながら、彼の席に辿り着く――。


「だだの衣替えに、よくもそこまで話を膨らませられるなぁ――」


彼は呆れ気味に言う――。