「おいっ、サユリ――」


「いいのよ、お友達がいても所詮は女――これからもテルくんは色々と巻き込まれ、絡め取られてゆくでしょう――きっと嫌な事もあるでしょうね――」


「だから、私の躰を使って、ストレスを解消してもいいのよ――ここは誰も知らない異空間みたいなもの――だから――ね――」


「いやいやサユリ、そんな物欲しそうな目で見るのはやめてくれ――」


「確かに、ストレスと感じる事は絶えず起こると思うよ――だからオレはこの場所を安らぎの場にしたいんだ――サユリと逢ったのも、何かの縁だろうから――」



「女の誘いを断るなんて――」


「まぁ、いいわ――私も少し浮わついていたかも――」


「ふぅ、色仕掛けは勘弁してくれ――」


「ふふ、今日はこの位にしておいてあげる――」


そう言って、女から少女へと意識を変換させたサユリ――。



「入部届、書こうか――」


「言ったでしょ――あなたは観察対象だから必要ないわ――」


「そうか――」


振り子式の壁時計が、時を刻み、昼休みが終わろうとしている――。


「そろそろ時間か――」


「一緒に出るか――」