「それと、私達のルールを決めましょう――」
「ルール――」
「この部室は、私とテルくんの空間――だから、人間観察部と部室、私の存在は誰にも教えない――」
「私達も会話を交わすのは、部室と部室外において第三者が介在しない場合のみとする――破られれば、関係はそこで終わり――」
「私は鍵を回収し、以降あなたの前に現れる事はない――」
「つまり、この関係性は事実上秘密で、部室の外でも周りに他人がいれば、互いに知らないフリをする――そういう事でいいか――」
「そうよ――プラトニックな関係で、刺激的でしょ――」
女の色香を補充した瞳で彼を見つめる――。
「わ、わかった――その条件でいいよ――」
サユリの「挑発」に、声帯が動揺するも、「憩いの場」の鍵を彼は強く握りしめる――。
「興奮した――」
「えっ――」
「ふふっ、だってここは私とテルくんの密会の場――部室で起こった現象は互いに公にできない――私の言っている意味、わかるわよね――」
「――――」
「いいのよ――」
「抱いても――――」
艶かしい挑発の上塗り――。