クラスメイトとも、冗談を言い合える関係性を築ける様になった、とある昼休み――。
ミナ、繭、茜、マリネは教室にはいない――。
彼女達にも、私用、私情があり、四六時中彼をかまってもいられない――。
「さてと――」
彼は教室を出た――藤組、椿組、上級生の「視線」も入学当初よりは幾分かは、「優しさ」の成分が含まれている――。
麗しの氷女との「関係性」は、あれからあまり進展しなかった――。
「それでねぇ、ルナちゃん――」
選択授業で、廊下で、委員会で、彼が近づこうとすると、先の様な台詞をこれ見よがしに言いながら、巧みにルナに纏わりつく否定派――。
ルナも、彼の呼びかけに応じる気はあるのだが、どうしても否定派に押し切られてしまう――。
否定派――自分を慕ってくれる友人達と、ルナは思っているかもしれない――。
優しい反面、慕う者を盲目的に信じてしまう側面があり、マリネが彼に危惧していた――。
「今日は、何処を探索しようか――」
学院の内外を探索し、「憩い」の場所を見つけるのが、彼の日常の楽しみになっていた――。