「んまぁ、百合系の方々に告られてるって話は聞くよね――」
「じゃぁ、百合属がファンクラブの中核かなぁ――」
繭が現象を語り、ミナが推察する――。
「あたしの見立てだと、ファンクラブとテルを良く思わない否定派は、同じじゃないかなぁ――」
「かもね――」
「あり得る――」
マリネの最終見解に、繭とミナが従う――。
タイミング良く、チャイムが鳴る――。
「まぁ、組織の存在はともかく、まず謝るさ――それが筋だからな――」
「私も椿組の友達に、それとなく言っておくよ――」
繭が言い、席へと戻る――ミナも、彼の肩に手を乗せ頷き、去ってゆく――。
隣のマリネも、彼の決断を尊重する表情を見せた――。
茜がこちらに頭を動かした様に見えたが、すぐに担任教師が来た為、真意の程はわからなかった――。
「テルっ、テルぅ――」
マリネが囁く――。
「どうしたんだ――」
「えへへ――今日の授業の教科書、全部忘れちゃった――」
「今日1日、教科書見せてぇ――」
マリネが教科書を忘れるのは、良くある事――。