正確にはこの先があるのだが「途中退席」した否定派生徒会委員の「報告」は、瞬く間に否定派だけでなく一般生徒にまで広まった――。
慌てる否定派――。
突飛、奇行ともいえるルナにざわめき、打開策を練る――。
そして、この類いの話の「お約束」の尾ひれが生える――。
幾つかの「尾ひれ」のひとつは、こんな話だ――。
姉妹校に転入する話は共通していて、後に続くストーリーが全くもって想像力豊かである――。
ルナ、ミレイ、琴音の三人が怒鳴りあい、激情したルナが姉妹校への転入どころか、本国のスイスに帰るなどと怒鳴り散らす――。
はたまた、ミレイがルナの頬を張った――などと、尾ひれが生えてはあらぬ方向へと「泳いで」ゆく――。
これらの尾ひれは、冷静に考えればあり得ない話とわかる筈だが、臨時生徒総会で彼を追放できるだけの「票読み」を確信すらしていた否定派は「身内」から背中を刺された様な「痛み」に見舞われ、足並みが崩れ始める――。
物語は更に枝分かれする――。
ノアーク家が寄付金拠出を凍結する――。
いや、そうではなく、学院の経営権を奪いにかかり始めた――。