私立椿ヶ丘女子高等学院――正確には「共学化」により、私立椿ヶ丘高等学院から、ノアーク―エリザベート―ルナが去る――。


まことしやかな噂が、否定派が開設している秘密サイトで囁かれ、全生徒へと波及した――。


それが、月曜日の登校時間中である――。


ルナは早朝には既に登校し、臨時生徒総会の準備の為、同じく登校していたミレイと琴音と対峙した――。


思わせ振りな笑みを浮かべ、ミレイが尋ねる――。


ミレイを真っ直ぐ見据え、ルナは「あの女」が言うところの「手札」を切り出す――。


それを見たミレイは、更に笑みを深くし、琴音は少し動揺したという――。


ルナの「手札」の中身は、姉妹校への転入――その強い意思が込められた書類――。


「ほほぅ――らしくないですね――」


僅かに眉をしかめるミレイ――。


ミレイの「挑発」にも、ルナは微動だにもしない――。


「こんな横暴は許されませんよ――」


感情が昂り、躰がルナに詰め寄る琴音――。


「まぁまぁ、琴音さん落ち着いて――」


ミレイも負けじと冷静な声で言う――。


ここまでの「寸劇」を否定派の生徒会委員が目撃し、その一部始終を裏サイトに綴った――。