あれ?何か顔隠されて応答された。
せっかく『頑張って』ってエールを送ったのに。

それよりあの五人がどこにいるかが問題ね。
多分颯の近くにいるはず。
キョロキョロと見回しても姿が見えない。

『位置について、よーい』

パーンと音が鳴り、一斉にスタートする。
颯は速い。もう全員抜かしてしまった。

さっきの男子の会話は聞き間違えか、そう思ったときにあいつらがいるのを発見した。
持っているものは……ロープ?
一体何を……?
そしてあたしの頭の中である考えが浮かんでしまう。

まさかあいつら―