ー翌日。sideレイカー

朝早くに目が覚めて、掛け時計を見るとまだ5時前。

無性に歌いたい気分のあたしはパジャマから私服に着替え、誰もいない所へ──この時間だと屋上──向かった。

ーsideクロードー

早朝、寮に帰ると歌声が聞こえた。…相当洗練されてる。声の持ち主が知りたくて持ち主を探すと…屋上にいるのか?そう思い屋上に向かうにつれ、だんだん声もハッキリ聞こえてくる。

低音も高音も聞きやすく、聞き惚れる声音。…だが、詩が何を言っているのか分からない。

やっと屋上に着くと、そこに居たのは、

「──レイカ。」だった。

俺の声に反応したのかレイカは歌うことを止め、驚いた様にこっちを見ている。

「脅かせてしまったな。すまない。…レイカ、おはよう。」と言うとレイカは

「おはようございます。団長。…気にしないで下さい。では、また。」と逃げるようにその場を後にしようとする。だが、

「少し、話さないか?」と俺はレイカに声を掛けた。