「……やはり、団長には伝えたいです。あたしの両親の事。ですが、誰にも言わないで貰いたいのですが…。」とあたしは言うと団長は驚いた顔をして、

「…分かった。」と短く言ってくれた。

あたしはコップの中にある氷をストローで突っついて、

「…両親は…あたしが5歳の時に事故に遭って他界しました。」と言った。

あたしが小さい時、利き腕を骨折して入院していてちょうどお父さんもお母さんもあたしの様子を見て、家に帰る時に事故に遭った。…そのときお母さんのお腹の中にはあたしの弟か妹がいたって後に聞かされた。…お母さんたちを轢いた犯人は今は警察に捕まっている。と団長に言葉がつっかえながら話した。

「…」何にも言えない団長。けど少しして

「ありがとう。伝えてくれて。…『つらかったね』とか俺には言えない。…俺には両親も、妹、弟もいる。だが、泣きたい時などは言ってくれないか?…胸を貸すぐらいしか出来ないが。」と言ってくれた。

「……ありがとうございます。団長」と言ってあたしは団長の優しさに触れた気がした。