ーside鈴華ー

微睡みから目を覚ましたあたしは自分目を疑った。…教会じゃない。

白に統一されたこの場所は『医務室』と言う言葉がピッタリな所だった。

「どうして…」あたしはベットから立ち上がり窓の外を見た。…中世ヨーロッパの様な建築。

車の類いも一台もない。

大きな広場に面した所にあるここは人の通りは多いが自転車すら無い。

ふと、空を見るとあり得ない事があった。

「人が…空中を移動してる…。」仕掛けが分からない。…テレビとかマジック見たら直ぐに見破れたあたしに…

頭がパンクしそう。

「****」急に男の人が出て来て何かを言った。何処の言葉だろう?聞いた事の無い言葉だった。

「えっ?!」そう言うと男の人は指を鳴らし、赤の半透明の結界を作った。

「これで、俺の言葉が分かるだろ。…それで顔色は良くなってるが体調は大丈夫なのか?」と男の人は言った。

「あ、はい。ありがとうございます。おかげさまで良くなりました。」