知らない人がたくさんいてびっくりしたあたしは

『お父~さん抱っこ~』と両手を伸ばして抱っこのおねだり。お父さんはあたしを抱っこしてくれた。

『えへへ。ありがとう♪』とご満悦顔のあたし

『お母さんの所に行くぞ。鈴。』とお父さんはあたしを抱っこしたままお母さんが担任をしているクラスの所へ。

お父さんとお喋りしていたら知らない人が話しかけてきた。

『すみません。ミュージックコンポーザーの鳴瀬柊哉さん…ですよね?』と知らない人が言うとお父さんは

『はい。そうです。』と答えた。ミュージックコンポーザー…作曲家といえば分かる。お父さんはゲーム会社に勤めて、お父さんが作ったBGMの入ったゲームは品切れ、入荷未定などが日常茶飯事の出来事。

『ファンなんです!握手して貰っても大丈夫ですか?』と知らない人。

『はい。構いませんよ。』とあたしを下ろして知らない人とお父さんが握手をしていた。

なんか気にくわなかったあたしはお父さんに

『お母さんの所、行かないの~?』と言った。お父さんは

『ごめん。』と言ってあたしの頭を撫でると知らない人に向かって『では、失礼します』と言った。