ーsideレイカー
ここは?暗くて何も見えない。…浮かんでるみたいで上、下、右、左も分からずにいた。
…まるでプールや、海みたいな水がたくさんある所で浮かんでるみたい。
何か大切な事を忘れてる様な…
思い出そうとしても分からない。
そんな時、少しだけ、光が入り、光の源の方を見ると、水中にいる時に見る放射線状の物が見えた。
…あ、水の中にいるんだ。…でも、苦しくない。何でだろ?
──それは貴女が私に選ばれたからよ。
そんな女の人の声が聞こえた。
振り向いてみるとそこには〝龍〟がいた。
濃淡がある水色と同じ色の目。…まさか。
─そう。私は水龍。11の龍の一頭。元々貴方は強い《水》の力があった。本家よりも強い力が。その力に危機感を覚えた私は貴女の力を封じたの。…でも、誤算が生じた。貴女が此方、タイム・エデンに来てしまった事。だから私は貴女がこの先困らない様に力の封印を解いたの…その反動がさっき起きた暴走。…ごめんなさいね?…でも、大丈夫。止めて貰えたみたいだしね?…おわびと言って良いのか分からないけど、貴女に私の力を貸すわ。貴女ならきっと使いこなせる。
そう言い残して、水龍は消えていって、あたしの意識は浮上していった。