そうだったんだ。でもあたしの答えは決まってる。
「私はここに残りたいと考えています。ここには私の最愛の人も居ますし、この子たちの母親でもありますから。私は子どもから両親を取り上げてはならないと考えています。」
「そうですか。…分かりました。では日本にある家とかは如何なさいますか?」
「…両親亡き後、私の事を良くしてくださった大伯父夫婦は今はもう居ません。…あちらに託しても良いと考えられる人は居ないのです。…雪奏様。お願いがあります。家族が写った写真、父が作曲した元のスコア。その二つだけは手元に置いときたいのです。厚かましいと思われるかもしれませんがお願い出来ませんか?他の家や財産はNPO法人や国に寄付の形を取りたいと考えています。」あたしが考えた事をハッキリと伝えた。
「分かりました。その様に計らいます。」…良かった。
「ありがとうございます。」そう言った時、ノックが聞こえて、雪奏様方お二方に『開けても良いか』と伺うと頷かれたから誰なのか聞くとクロードだった。開けるとクロードが入って来て
「遅くなりました。先程のご助力、感謝致します。レイカからご紹介されたと思いますが私はクロード・フレア・フォースと申します。この国の王太子、特種騎士団フレイムの団長を勤めさせて頂いてます。」とお二方に改めてクロード自身で自己紹介した。