「──ッ!!」クイーンは分が悪いと思ったのか、暗闇に姿を消してしまった。
「逃げられた、か。」時宮颯斗、と名乗った人が言う。
「如何なさいますか?逃げられたからには拠点が分からない限り尽きとることが難しいと考えてますが…。」と時宮雪奏様に言っている。
あれ?時宮家って一人娘で婚約者が居て結婚式が後少しって聞いたけど、ってことは雪奏様の御主人?
「颯斗。その前に情報収集よ。…それにもうひとつの役割を忘れたの?」とぴしゃりと一蹴。
「ご助力、感謝致します。虹宮様。私、水之宮の傍流、鈴華と申します。」お腹がおっきくて頭を下げられないけどなんとかやろうとすると、「無理を為さらないで。」と止められてしまった。
「取り合えず、座って話せる所に」とクロードが言って場所を変えた。…クロードならあたしたちの会話で『もう一人の龍の契約者』と答えを頭のなかで出してくれていると思う。