部屋に入るとキャットタワーのお気に入りの場所にいたシエルはこっちを見てから尻尾を一振りして丸くなった。
…やっと帰ってきたか。
そう言われた様な気がする。
軽くため息をしてからレイカが寝ているベッドに近付いた。
穏やかな寝息をたてているレイカ。…疲れたんだな。そう思ってレイカの頭を撫でた。
相変わらずさらさらなレイカの髪。…撫でてるとレイカから甘い匂いがする。
………これ以上は俺が持たない。
髪を撫でる事を止めて、毛布の上からレイカの腹を触るとぽこっと動いた気がした。
「ただいま。挨拶してくれたんだな。偉いぞ。…もう一人は寝てるのか?」ゆっくり腹を撫でながらそこにいる俺とレイカの子どもに優しく話しかけるとまたぽこっと手に振動を感じた。
……寝てるのか。
「そうか。俺はここにいるからおまえもお休み。」そう言うとぐにゅっと動いて動かなくなった。…寝たらしい。