全く。ぶつけたらどうするんだ。俺が鍋を取って

「ほら。使うんだろ?…ヒヤヒヤさせるなよ…」レイカの腹に負担が掛からない様に優しく抱き締める。

レイカの匂いを堪能していたかったが

「ハムエッグ、焦げちゃう!」とするっと俺の腕から脱出された。

レイカの飯は食いたいけど…なんだか飯に負けた気がするのは俺だけだろうか?レイカが料理をする後ろ姿を伺いながら(コケたりしそうになったら直ぐに助けられる様に、という意味も合ったが。)シエルにいつものご飯をあげようとすると

「シエルのご飯はちょっと待って?今作ってるの~。」と…猫のまでとは…

レイカに負担がかかってないだろうか?

「出来たよ~」とレイカに近付くと、俺たちにはロールパンにハムエッグとレタスやトマト、きゅうりを使ったサラダ、俺にはコーヒー、レイカはカフェインレスのハーブティー。

シエルには茹でたささみを解して細かく賽の目の人参。これも茹でてるものに…あれは、レタスか。…ちゃんと猫にあげてはいけないものを確り弁えてるメニュー。…シエル、待ちきれなくてレイカの足元を八の字で歩きながら『早く~!!』と言わんばかりにニャーニャー鳴いてる。

シエルの飯が入ったお皿を定位置に置けばシエルは『待ってました!!』と言う感じてがっついて食べてる。