ー公爵の屋敷内、客室ー
アイボリー色の壁に椅子やテーブル、ソファーに至るまで全てナチュラルな落ち着く色合いの部屋。…凄いな。アイボリーって日焼けが目立つ色の筈なのに、日焼けの感じがしない。
─流石、手入れが行き届いてる。
ノック音が聞こえて、クロードが立ち上がったから、あたしも立ち上がって(クロードに立ち上がりやすいように手を貸して貰った。)ありがとう、って意味で微笑むとクロードにクロードにおっきな手でポンポンとされた。
「どうぞ。」とクロードが扉の向こうに居る人に言ったらガチャ…っとドアが空いて40代中盤~50代前半位の男の人とクロードのお母さんそっくりな女の人が入ってきた…年はこちらの女性の方が少し若いかな?
「お待たせ致しました。」男の人が口を開いた。
「それで、マリアーノの状態は…」
単刀直入だね。
「お屋敷に入れさせて頂く前に屋敷の外まで流れていた毒素は消しました。…ですがマリアーノ様の私室までは届きませんでした。私の能が打ち消されてるのです。後はマリアーノ様とお話しをして何故こうなってしまったのか、そして根本的な解決法を見つけなければ同じ事が繰り返す可能性があります。」と今考えていた事を言った。