団長としての仕事が残ってるから帰ろうとしたときに珍しい人に会った。

「お久しぶりです。…公爵。」マリアーノのお父上で母上の義理の弟。…つまり俺の義叔父さん。

─今、俺がいる場所は奥宮──王族が多くの時間を過ごす場所。余程の事が無い限りここには入れない筈。‥‥入るときはパスが必要で、そのパスも見える所に着けてなきゃダメなんだ。…公爵はちゃんと守ってパスを首から下げていた。

「ひさしぶり。クロード君。ティーパーティーには出れなくてすまなかった。…後、おめでたい席でのマリアの所業、私の顔に免じて許して欲しい。」……酷くやつれていたため、俺は「気にしていない。」と言ってその場を仕事が有るため切り上げようと(レイカがあんな小柄であちこち動かれると危なげで落ち着けない事が一番だが。)したが引き留められ、

「実は、マリアの様子が可笑しくて、こんなこと、君に頼むのは恥知らず、と言われても仕方が無いが医者にも原因が掴めないんだ。頼む。」と頭を下げられて、俺は慌てて空いてる応接室に二人で入り、公爵の話を聞いた。

「──分かりました。最後に確認しますが、マリアーノの瞳、何色でしたか?」もし、俺の推測が当たっていたら大変な事になる。…マリアーノの瞳は本来俺と同じ茶色。だが…

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「……目?…不気味な赤だった。」当たって欲しくない物が当たってしまった。