その瞬間、
カックン!

驚く間もなく、よろめく。一体何が起こったというのか。

「スキあり。」
そう言ってにやっと笑ったのは、紛れもない、彼だった。

「はぁ?バッカじゃないの!最低っ!」
思いっきり背中を叩いて、足を蹴飛ばした。

「いてーな、暴力女。」

言いながら走り去る。久しぶりにしたやり取りは、なんとも子ども染みたものだったけれど、素直に嬉しい。