布団から出たあたしは
いつもどおりご飯とみそ汁を作り

ゆったりと朝を過ごした。


あたしの毎朝の習慣だ。


あたしの朝は必ずご飯とみそ汁。


それ以外は朝はうけつけない。
なんで?
そんなの自分が一番わからない。



あんな夢を見たから、
今日はぼーとしてしまう。


「早く忘れよ」


そう言って新しい学校に行く準備を
した。



新しい学校は
昊空-コウセイ-高等学校


不良が、多いらしい。


そんなのどーでもいいんだけど。


制服を着て、金髪のロングのウィッグをして
目には茶色のカラコン。


これがあたしの学校用の姿。

地毛は明るめの茶色のショート。

自分のこの髪はなんか好き。



でも、この目。
この青の目。
これだけは好きになれない。

あたしは外人でもハーフでもない。


なのにこの目。
この色。
理由はわかってない。
どうして、こんな色になるのか。


ようやくいつも通りの格好になり
学校に行く準備が済んだ。


時計を見ると…

8時30分


なんだ、8時30分かー


って、えぇぇぇぇ!
ちょっと待って、学校って何時からだっけ


パンフレットを見てみると
8時20分完全登校。


はい、終わりました。
転校初日、遅刻決定しました。


あー、どーしよ。



そんなことを考えていると

プルプルプル

電話が鳴った。


ディスプレイを見てみると
(柳瀬さん-ヤナセ-)


どーしたんだろ、珍しいな。



「もしもし?どーしたの?」


「おぅ!起きてたか。
いや、お前のことだから遅刻してねーかと
思ってよ。」


「うん、遅刻決定したとこだよ今。」


「はっはっ!やっぱな。
もうすぐお前んち着くから外出とけ」


「ありがと!助かる」


「おう、じゃあな」


ピッ


「柳瀬さん、さすがあたしのことわかってるな」


柳瀬さんは
あたしが中学2年の時に拾ってもらった
命の恩人。



柳瀬白夜-ヤナセ ビャクヤ-

全国№1の柳瀬組の組長。


汚いことには一切手をつけない
曲がったことが大っきらいな人。

まっすぐで、いつもあたしを助けてくれる人。






あたしには中学1年から2年の
間の記憶がすっぽりと抜け落ちている。


理由はまだわからない。


なにがあったのかも。


高校2年になった今でも
思い出せずにいる。


でも絶対思い出さなきゃいけない。
これだけはなんとなくわかる。


柳瀬さんはあたしの抜けている記憶のことを
知っているみたい。

でも教えてくれない。
自分で思い出さなきゃ意味がないらしい。


柳瀬さんが電話して5分後にまた
電話がかかってきた。

「柳瀬さん、もーついたんだ。」


「もしもし。今から出るね!」

「おぅ、下にいるからな」

「はーい」


電話を切って鞄を持ち家を出た。

あたしの家は柳瀬さんが用意してくれた。


高級マンションの最上階
さすが全国№1の組だけはあるようで
お金持ちみたい(笑)


エレベーターに乗り地下の駐車場におりる。


「麗!」

「柳瀬さん!」


エレベーターからおりると柳瀬さんが
迎えに来てくれた。


「わざわざこっちまでこなくてよかったのに」

「久しぶりだからなぁ。」

「ふふふ。あ、遅刻だよ!完全に(笑)」

「体調不良で遅くなるって連絡しといたぞ」

「ほんと?ありがとー!助かる(笑)」

「よし、じゃーいくか。」

「うん!」



そして、いつもの黒のベンツに乗った。


「真さん、おはよう!
いつもごめんね!お願いします」

「麗ちゃん、おはよう!
いいんだよ。じゃ、出発するよー」

「うん!」


真さんは、このベンツの運転手。
顔は怖いけど、優しい人。
いつもお世話になってます(笑)


君に出会えたから

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