優輝菜「……………………。はい……」


土方「これから1人でも多く治せ」


優輝菜「頑張ります」


土方は部屋を出た


軍医「いつ頃……峠を超えますか?」


優輝菜「……………………………。
そうか……。ピークは峠と言えば良いのか………」


軍医「は?」


優輝菜「…………………。ごめん。
三日間……昨日より発症者が減り、患者の容体が落ち着いたら峠が過ぎたと言えるんじゃないかな………。


っっっ!!! 総司は帰った?」


軍医「まだです」


優輝菜「そろそろ戻っても良いはずなんだけど………」


台湾だからか……?迷ってないか?敵に爆撃されてないか…?


優輝菜に不安が過る


優輝菜「……………………………。
五分出て来る!!!」


病室へ駆け込み、土方を引っ張り病室から出た


土方「どうした…。」


優輝菜「総司は?」


土方「あと四時間位かかるだろ」


優輝菜「本当に?何もないよね?」


土方「心配なら陸に偵察に行かせるぞ」


優輝菜「四時間経っても帰って来なければ向かわせて………」


土方「分かった。お前は仕事に戻れ…」


優輝菜「……………………。分かった」


回れ右してトボトボ歩き出した


フワッ!


後ろから歳が優輝菜を抱き締める


土方「総司は大丈夫だ」


優輝菜「(ポロポロポロポロポロポロ)」


土方「……………………………。
総司はそんなヘマはしない。信じろ」


優輝菜「ん……………………………。」


土方「優輝菜………」


優輝菜「ん?」


土方「引退しよう……。この戦が終わったら引退しよう……。二人で………」


優輝菜「歳は指揮官だから引退は出来ないでしょ?」


土方「出来るさ……」


優輝菜「……………………………。
老後………。二人で楽しもう。

私……。京都に戻りたい………」


土方「京都に?」


優輝菜「二人であっちに住もう?余生は出会った所を逢瀬したりあの宿に泊まりたい」


土方「分かった。そうしよう……。
やはり日露戦争後だな……」


その頃……私はもうこの世にいない…


優輝菜「楽しみ………」クス


土方「八木さんち買い取りたいな」


優輝菜「最高だね……。それ……」


土方「だろ? 先を見ろ……。そうすりゃ冷静になれる。恐怖心も薄れる」


優輝菜「そうだね………。ありがと。
行くね!」


土方「あぁ。気張れ……。」